親の実家が空き家に?相続登記義務化で知っておくべき対策と進め方とは?
■はじめに

高齢の親が地方に住んでいる方にとって、親が亡くなった後に実家が空き家になる可能性は現実的な問題です。さらに、2024年からの相続登記の義務化により、不動産を放置するリスクが大きくなっています。本記事では、空き家問題の現状と相続後の対策について以下詳しく解説します。
1、空き家問題の現状
2、相続登記義務化の影響
3、親が元気なうちにすべき準備
4、実家売却のポイント
5、実家じまいのすすめ
6、まとめ:早めの準備が家族を守る
1、空き家問題の現状

日本では、人口減少と少子高齢化が進む中、空き家の増加が深刻化しています。総務省の調査によると、2023年時点で全国の空き家は約900万戸に達しており、今後も増加が予想されています。
特に地方では、人口が集中する都会と比べて不動産需要が低く、売却が難しい状況が続いています。また、「昔の思い出がある」「家族間で意見がまとまらない」といった理由で、長期間実家を放置しているケースも少なくありません。
2、相続登記義務化の影響
2024年から施行される相続登記義務化により、親が亡くなった後に相続した不動産を登記せずに放置することが難しくなります。これにより、次のようなリスクが生じます。
放置のリスク

・固定資産税の増加
荒廃した家屋への税金優遇措置が停止される場合があります。
・管理費用の負担増
植栽の剪定や建物の修繕費が継続的に発生。
・空き家税の導入
一部自治体では、新たに※「空き家税」を設け、放置に対して厳しい姿勢を取っています。
これらの問題を放置すると、時間と経費の負担が年々増大します。そのため、早めに専門家へ相談し、適切な対策を講じることが重要です。
3、親が元気なうちにすべき準備

親の実家が空き家になる前に、家族で早めに話し合い、将来の方向性を決めておくことが重要です。
家族での話し合いのポイント
①親の希望を尊重する
「最期まで住み続けたい」という意向がある場合は、その希望を第一に考えます。
②子ども同士の意見調整
意見の対立を防ぐため、一致点を見つける努力が必要です。
③選択肢を具体的に検討
以下のような選択肢について話し合いましょう。
・相続後に家を改築して住む
・セカンドハウスとして利用する
・売却や寄贈を検討する
専門家のサポートを活用する
こうした話し合いをスムーズに進めるためには、専門家に相談することが大切です。不動産の相続や空き家の管理について、具体的なアドバイスとサポートを受けられます。親の希望や家族の意見を調整しながら、最適な選択肢を導き出す一助となります。
4、実家売却のポイント

実家の売却をスムーズに進めるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
①古い家屋の解体と更地化
老朽化した建物があると買い手に敬遠されるため、解体して更地にすることで売却しやすくなります。ただし、解体費用は100万円以上かかることが多いため、自治体の補助金制度を積極的に活用しましょう。
②市場動向を理解する
地方だけでなく、大都市近郊でも不動産の売却が難しくなりつつあります。「価格を下げれば売れる」という考えに固執せず、専門家の意見を取り入れながら進めることが重要です。
③空き家管理のコストとデメリット
空き家を放置し続けると、次のような経費が毎年発生します。
・固定資産税
・植栽や庭木の管理費
・建物の修繕・保全費
これらの費用は一度きりではなく、長期的な負担となります。また、放置された空き家は地域への悪影響やトラブルの原因にもなります。専門家の力を借りて適切な管理を行うことで、将来のトラブルを未然に防ぎましょう。
5、実家じまいのすすめ

実家を空き家にしないためには、「実家じまい」という考え方が求められます。これは、親が元気なうちに実家の将来を計画的に整理する取り組みです。
実家じまいを進めるステップ
①親と話し合う
②将来どのように実家を活用するか、親の意向を確認。
③選択肢を整理する
売却、賃貸、寄贈などの具体的な選択肢を比較検討。
④専門家のサポートを受ける
法的手続きや自治体の支援制度の活用について、行政書士に相談することで効率的に進められます。
6、まとめ:早めの準備が家族を守る
親の実家が空き家になる可能性がある場合、早めに対策を講じることが家族全員の負担を軽減します。以下のステップを参考に、行動を始めましょう。
・家族で話し合い、親の希望と子どもの意見を調整する。
・専門家や自治体の情報を収集し、活用できる制度を確認する。
・売却や解体を含めた具体的な行動計画を立てる。

専門家への相談が鍵
空き家問題や相続手続きは複雑で、適切な対応が求められます。藤之原行政書士事務所では、相続登記や空き家管理の相談を幅広く受け付けております。お客様に最適な解決策を提案し、手続きから実行までをサポートいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。ご家族の未来を安心で満たすお手伝いをいたします。
※ 総務省 京都市非居住住宅利活用促進税の新設について
https://www.soumu.go.jp/main_content/000870841.pdf